恐怖運転

「２時間ほど前、家のすぐ近くで雷が落ちたようだ」
「ようだ・・・ってことは見てはいないんですか」
「ああ、カーテン閉めてたからな。で、いきなり『ドゴオオォォォン！！！！』と恐ろしく大きな爆音が一帯に響いてな。何事かと思ったわ」
「こわいですねぇ・・・」
「まじで近所の工場か変電所で爆発が起きたのかと思った。というか、音で体が吹っ飛びそうになった」
「・・・いや、さすがにそれは・・・」
「まあ実際はビクッ！となった程度だが、音の衝撃波を感じたような気がしたわ」
「要はすごい音と衝撃だったと」
「うむ。・・・で、今日は朝から車で妹を駅まで送り、オカンを会社まで送り、そのままちょいと昼過ぎまでドライブしてた」
「・・・なんか最近あなた個人タクシー化してません？」
「言うな。で、適当にグルグルまわってたらいつの間にか難波方面に進路を取ってたようで、ならばと思い日本橋までの新規経路開拓を試みた」
「おお、アクティブですね・・・って、今日かなり雨降ってませんでした？」
「ああ、行きはそうでもなかったんだが、途中から見事に土砂降り」



「あまりにも視界が悪くて、やむを得ず路肩に緊急停止。これがその時に撮ったものだ」
「うおお、これはこれは・・・」
「ワイパーをフル稼働させてもほとんどこんな状態。10分ほど待機したところで多少小降りになってくれたが、雨で身の危険を感じたのは初めてだったな」
「まあ、これも経験ですよね。ちなみに、日本橋には辿り着けたんですか？」
「全く問題なし。適当に標識を見ながら進んでたら、知ってる道に出れたわ。で、満足して帰ろうとした途端にこの雨、と」
「まあ、まず今日ドライブしようとか思う時点で間違ってたってことですね」